Category: ICT脱教具論


B君の先進国型ICTモデル

B君のストーリーのベースになっているのが先進国型学校ICT活用モデルです。フィンランド・デンマーク・スウェーデンあたりを想定しています。 1. 情報環境 【1.1提示装置】電子黒板・プロジェクタは全教室固定常設で、一部教室では黒板はなく電子黒板のみになっています。 【1.2学習者端末】学習者端末としては児童生徒の個人機材の持ち込み(BYOD[1])を奨励し、持ち込みしない子には学校が機材を貸与しま […]


ある日のB君の授業

対になるストーリー「ある日のA君の授業」はこちら 小5のB君は自宅で昨日届いた先生からのメールを見ながら、今日はスマホを持って行くか、ノートPCを持って行くかで迷っている。荷物が重くなるのは嫌だけど、レポート課題の宿題はスマホじゃこなせない。結局両方持っていく事にしたよ。 いつもの事だけど、今日の授業課題と指示は先生からのメールに全部書いてある。昨日話し合ったテーマについてインターネットで調べ、ペ […]


A君の日本型ICTモデル

A君のストーリーのベースになっているのが日本型学校ICT活用モデルです。 1.情報環境 【1.1提示装置】電子黒板・プロジェクタは仮設可動式の数台を全校で共有します。 【1.2学習者端末】10インチ型キーボード脱着型タブレットを40台一括導入したほか、リース切れの古いPCが数台特別教室と図書室に設置されています。導入に伴ってPC室が廃止されたので、充電カートに40台のタブレットを収納し、一般教室に […]


ある日のA君の授業

対になるストーリー「ある日のB君の授業」はこちら 小5のA君は教材準備室の隅に真新しいタブレット・カートを見つけて心ときめいている。「先生はどの授業で使わせてくれるだろう?」。家のパソコンはお父さんのものだし、扱いが難しいし、勝手に使えないけど、新しいタブレットなら指やペンで操作するのは簡単だから、勉強でもきっと上手く使えるさ。 さて、半年経ってタブレットの事もすっかり忘れていたA君に「タブレット […]


教育ICT常識の嘘 #2「IT活用指導力」

教育情報化政策におけるIT活用指導力の養成は世界共通の課題だ。ICTで教えるにはスキルを要する、というシンプルな考えに基づいている。文科省の実態調査を見ると指導力は年を追う毎に向上しているように見える。   文科省定義でIT活用指導力はA~Eの5分類。年次推移グラフで注目すべきはH23以降B(授業中にICTを活用して指導する能力)とC(児童のICT活用を指導する能力)が入れ替わっている点 […]


教育ICT常識の嘘 #1「まずコンテンツが必要だ」

「教育ICTには教材コンテンツが必要」は教育ICTに仕掛けられたブラックホールの罠かもしれない。与えるコンテンツにこだわるほど、予算や稼働は際限なく吸い込まれるが、学習の形態が変わらない限り、顕著な教育成果は得られない。さらに、コンテンツへの依存は教員や学校の立場を危うくする。   一斉授業×ICT×提示コンテンツは素人目にも分かりやすいし、教員側は教え方を変える必要がないから導入も比較 […]


学習者端末をデジタル教科書というな

一斉指導の提示教材文脈で、電子黒板と学習者版デジタル教科書の活用を考えている人は、学習者側の情報端末の議論に入ってこないで欲しい(ちなみに筆者の学習者端末に対する基本的な考えはこちら)。 何度でも繰り返すけれど、一斉指導前提である限り、学習者は手元で余計な事をするし、場面統制しようと頑張るほど教師負担は増える。一斉指導と学習者側ICT利活用は相性が悪い。     一斉指導の基本 […]


水の出ない蛇口

自治体や学校に大規模な最新情報端末の導入が決まればたびたびニュースになる。でも、それで子どもたちの学びが豊かになるかといえば、そんなに世の中甘くない。真新しいタブレットや電子黒板は、実は「水の出ない蛇口」かもしれない。今回は情報環境に着目して少し述べてみたい。   タイトルのような経験は、ちょっと不便な土地に行けば普通に経験することだ。世界中で水道水をそのまま飲める国はごくわずかに過ぎな […]


智場「子どもの未来と情報社会の教育」

当研究所の機関誌「智場(ちじょう)」#120の特集号「子どもの未来と情報社会の教育」が発刊されました。私、豊福が責任編集ということで企画編集を担当しております。制作にあたり、出稿・ご協力いただいた皆様にあらためて御礼申し上げます。 Amazonは本日1/31よりご案内中です。こちらからお求めください。 目次は次の通り、 教育の未来を考える ――主体的な学びが21 世紀の人間をつくる 豊福晋平 ×  […]


授業を持ち帰る発想はうまくいかない

2015/11/5付のリセマム記事 ドコモと福岡市教委、授業や自宅学習にタブレット活用…ICT共同研究 NTTドコモ九州支社と福岡市教育委員会は、2015年10月から2016年3月までの6か月間、ICTを利活用した教育実証研究を共同で実施すると発表した。中学校に学習用タブレットを配備し、授業や校外学習、持ち帰り学習などにおいて活用。成果や最適な環境などを検証するという。 総務省ICTドリームスクー […]


子どもがメディアを選ぶ

1:1やデジタル教科書議論でよく議論されるテーマには、「今までの紙媒体は全部ICTに置き換わるのか」というものがあります。結論から言うと、教員側が一方的に決めてよいことではありませんし、アナログかデジタルいずれのメディアを使うか、という課題はしばらく教員・学習者双方につきまとい、悩みの種になるでしょう。 2014 ストックホルム市内の学校にて  iPadを使った単語さがし この問題をメディアの特徴 […]


学校には果たすべき役割がある

こどもは勝手にICTを覚えるから 学校では扱わなくていい、のか? 子どもとICTスキルについて一般に言われているのは、こんなことだろうか。 子どもの適応力は高く、大人が積極的に教えなくても試行錯誤で覚えてしまう。 興味対象に対する探求意欲が高く、しばしば大人顔負けの知識スキルを持つ。 子ども同士で盛んに情報交換し、世代内やグループ内の特徴的な流行を持ち、トピックは頻繁に入れ変わる。 いずれも子ども […]


最後に授業で使うくらいがいい

1:1(1人1台の学習情報環境整備)に関して企業の方に相談すると、授業用の貸し出し機材確保まではわりとスムーズに交渉展開するのだが、その先の踏み込んだ検討を提案することが難しい。日本の教育情報化が、ずっとピンポイントの授業ICT利活用に偏ってきた事を改めて認識する。 臨時の貸し出し機材を充てて授業ICT利活用をし、教育効果を実証して導入検討へとつなぐやり方はこの業界の常識。しかし、この方法が同時に […]


1:1に学習規律は似合わない

学習者中心のICT利活用は1:1(one to one)が基本ですが、学習者側に自由になる機材があると、授業中の手遊びが抑制できないから不安で仕方ない、という話はもっぱら日本の先生方から出てくるように思います。 事実、学校のPC教室やタブレット利用シーンでは、機材の利用抑制機能(学習者機を遠隔操作ロックして画面に「先生に注目!」などと表示する)が導入上必須とされていますが、そんな「便利な」機能を重 […]


我々を支配する知識注入主義

教育方法論の講義では、代表的な教授・学習のモデルを扱うのだが、「知識注入主義」をこれほど分かり易く表わしたイラストは見たことがない。これは1900年代に発表された「2000年のフランスの未来」の1シーン。他のカードにはジュール・ベルヌの小説ばりに面白いものがあるのに、 この学校シーンのイラストだけは見てぞっとする。ヘッドセットから知識を注入されて虚ろになっている子ども達が未来の理想とは… さて、我 […]


授業の主役はもはや教員ではない

教具的ICT利活用といえば、例えば、タブレットから課題回収して電子黒板に集約する授業支援システムを使う事ですが、それ以上に授業全体を掌握し、伝達・問答・評価を完璧にこなさねばなりません。授業の脚本・監督・主役に加えてトラブル対処まで。過負担の授業を日常的にこなすのは困難です。 トラブルに見舞われて授業ストップしたくないから、教具的ICT利活用はどんどん短時間のスポットになり、児童生徒に任せる作業も […]


試薬や魔法のようなICT利活用技法論から脱却しよう

最近PuenteduraのSAMRモデルがちょっとした話題だ。組み立てとしては悪くないが、日本の授業にこれを適用するのはちょっと無理がある。少なくともMRレベルはカリキュラムレベルに踏み込むもので、授業技法として解釈するとミスリードしそうだ。 デジタル教科書批判を調べていて見つけたブログ記事。フィンランドの授業が意外とアナログというのは自分も実際感じた事。でもICT利活用段階についての見解は筆者と […]


マイルドヤンキー論と教育情報化のフレーム課題を合わせたら面白い事が分かった

マーケ業界で流行の「マイルドヤンキー」論は少々毒気が強いので私は嫌いですが、良くも悪くも、社会の一面をうまく言い表していると言えます。上手くまとまってるなと思うのはこちら→マイルドヤンキー賞賛とその先にあるもの、、、(アメリカ/米国不動産投資日記) 業界の方々が好きな2軸表現のグラフが引用されています。これも手垢の付いた手法ですが、物事を単純化して捉えるには良い方法です。元はこちら(博報堂生活総合 […]


新たな情報通信技術戦略の策定に関するコメント #3

具体的取組内容に関して重点施策と具体的な取組概要について指摘する。 ① 情報通信技術を活用した21世紀型スクールへの転換 21世紀型スクールへの転換という大きな目標の設定は、教育情報化に関する根本的議論を進めるうえでは好ましいものである。以下、概要について述べる。 【課題】「①双方向でわかりやすい授業の実現」のために情報端末やデジタル教科書等を導入しても、教員教具の位置づけであり続ける限り、教員都 […]