AI時代の子育て奮闘記

「メタ認知」を身に着けるための教養とプログラミングー子どもの「メタ認知」を育てるには(2)

今日も「メタ認知」について書いていきます。

▼前回の記事:アクティブラーニングの目的は「メタ認知」
http://i-learn.jp/article/4151
 
本日はメタ認知を身につけるためにはどうしたらいいのか?という話です。
 

1. メタ認知のための「教養」

メタ認知を育むための知識として「教養」があります。ここでは「教養」と「メタ認知」の関係について解説します。
 

1-1. 教養とは何か?

教養の定義については十人十色ですが、いろいろな人の定義を総合してまとめると
「世界や社会のしくみや成り立ちに関する知識」
ということになると思います。
 
言い換えると、世界や社会を「時間」「空間」「構造」で捉える知識ともいえます。
 

1-2. なぜ「教養」と「メタ認知」の関係

高いレベルでメタ認知ができる人は、世の中のしくみを構造として捉えています。学問のジャンルでいうと「構造主義」です。「構造主義」の本を読めば、世の中の構造の一端を知ることができます。(私のように、視点が低い人間が読むとかなり難しいのですが・・・笑)
 
構造主義ほどきっちりとした理論でなくても、経験や体験から、世の中の仕組みというのをなんとなく把握している人も多いでしょう。そういったしくみを高い視点でみれている人は、「こうなっているから、こうすればいいだろうな」というのが分かります。

だから、新しい製品や仕事を思いついたり、仕事で結果を出せたりするのです。
 
教養があり、その知識を「より」高い視点で見て考え、行動できるから、社会で活躍できるのです。
 

2. 小学生までに最低限押さえておきたい教養ベスト3

社会で活躍するという視点から、小学生の間に押さえておきたい教養をここで考えてみたいと思います。とはいえ、小学校の授業で学ぶもので十分です。小学校の授業を、メタ認知という視点から捉えるととっても大事なところ、あまり大事でないところが見えてくるはずです。
 

2-1. 仕組みを知るための社会

「社会の仕組みを知る」という意味で小学校の社会はすごく大事です。身の回りのこと・・・ゴミ処理から、大人のこと・・・どんな仕事があるの?ということなど最低限の「政治」と「経済」のしくみは知っておいて欲しいですね。
 
「歴史」については、小学生には戦国時代が大人気ですね。社会のしくみを知るというメタ認知の視点からは戦国時代の優先度は低いでしょう。難しいですが、本当に大事なのは近現代史です。近現代史は複雑で難しいからこそ、小学生のうちから興味づけをはじめてもいいかもしれません。
 
近現代史に興味が持てるようにするためには、今の国際情勢がなんとなく分かるかなー、ぐらいを目指したいですね。こちらの「ニュースがわかる」を小学6年生までに楽しめるぐらいになっていれば、中高生になったときに近現代史に抵抗感なく入っていけると思います。
 
▼月刊ニュースがわかる
https://www.fujisan.co.jp/product/1281680769/

 

2-2. サバイバルとしての理科と算数

勉強は大切で知識も大切ですが、それは生きているからこそ。死んでしまっては知識もメタ認知もへったくれもありません。
生き延びるための知恵が必要です。それを学ぶのが「理科」なのです。
 
天気のこと、植物のこと、動物のこと、理科には大事なことがたくさん。ですが、受験の理科は暗記が多く、「ただ暗記すればOK」と子供が認識してしまうのはとっても心配です。理科の知識を、生きるためにどうつかうのか?理科をもっと高い視点で捉える練習が必要です。(ここは2020年からのアクティブラーニングに期待!)
 
そして、生きていくためにはもちろん数を生活の中で使わなければいけませんから、数を取り扱うための算数はもちろん必須。
 
ですが、算数も「計算が早ければいい」「計算を間違わなければいい」というのはちょっと古いですね。AIスピーカーに算数の答えを聞いて、宿題やってしまう子がいる時代。暗算の正確さやスピードの意義は失われています。

算数を生活で、どう使うのか?数字の意味をどう捉えるのか? 「活用」という視点で算数を学んで欲しいと思います。
 

2-3. 思考と表現のための国語

そして最後に重要なのが「国語」です。誰もが発信でき、嘘の情報から正しい情報までさまざまな情報を入手できる時代。
相手の「意図」を正確に読み取る、論理の破綻を見抜く、根拠が根拠になっていないことを見抜くなど、情報分析としての国語が大切です。
そして、自分の思いを正確に伝える、相手を説得するなど、コミュニケーションとしての国語も大事。
 
国語は「思考」と「表現」のためのツールなのですが・・・
 
・漢字の「読み書き」だけを重視しすぎ
・筆者の意図を読み取ること「だけ」を重視しすぎ
・作文を軽視しすぎ
 
など、重要でないことに力を入れていたり、重要なことに時間を割いていなかったりと、アンバンランスな授業の塾や先生には注意が必要だと思っています。
 

2. 教養としてのプログラミング

教養があることが、メタ認知的に重要です。では、教養としてのプログラミングはどうでしょうか?
 
社会がこれだけ情報化しているので、プログラミングをこれからの社会人の教養の一つとするのは当然の流れといえます。

 
プログラミングはあくまで社会のしくみ(特に、情報化社会のしくみ)を知るための基礎知識として捉えるのは良いことですが、プログラミングを「覚える」ことそのものが目的になってしまっているのは危険だと思います。
 
プログラミングには、創造力をそだてる側面、教養としての側面など、いろいろな「面」があります。プログラミングができる、という一面だけを(子供に対して)強調しすぎないようにすることが大事なのではないでしょうか。
 

3. 「メタ認知」を身に着けるための教養とプログラミング まとめ

「メタ認知」という視点から、教養やプログラミングを見てみると、新たな一面が見えてきました。
プログラミング教育を社会の構造の中で捉えたり、コンピューターの歴史の一部として捉えたりすると、また新たな発見があるかもしれません。
 
プログラミングができたら終わり、ではなく高い視点で物事を捉えるために、プログラミング教育をどう活かすか?そういった視点のある学びの場があったら最高だと思います。

伴野悠佳 / YUKA TOMONO
この記事の著者伴野悠佳 / YUKA TOMONO
教育ヲタクの1児の母。自称ニコニコキッズクリエーター。東京理科大学大学院卒。元SE。小学生の頃から教育書を読んでいた教育ヲタク。大学では、電池の素材の性質について実験とコンピューターシミュレーションを比較する研究を行っていたことがきっかけでSEになる。出産&育休後、子ども向けプログラミング教室講師、子どもたちの考える力を育てるオンライン塾の講師。