世界一かんたんなプログラミングはまるで粘土です~参加レポ

土曜日に「世界一かんたんなプログラミングはまるで粘土です 〜ビスケット開発者 原田ハカセが語るプログラミングと子どもとアート〜」に参加してきました。プログラミング教育について、高い視点から観察して10年以上伝え続けてきた原田ハカセからたくさんのことを学んできましたので、その一部をご紹介します。
 
▼託児付きイベントだったので、子どもも楽しめましたー

 

目次

1. 原田ハカセの語るプログラミング教育

イベント当日は、Viscuit(ビスケット)に関心のあるお子様づれの方や、幼稚園・学校関係者の方で大盛況でした。


 
原田ハカセが語った中で、私が注目したのは以下の2点です。
 ・2種類のプログラミング教育
 ・進化したプログラミング
以下は私の解釈なので、もしかしたら原田ハカセの意図と異なるかもしれませんがイベントのまとめとして、書いておきます。
 

1-1. 2種類のプログラミング教育

プログラミング教育を目的で分類すると大きく2つに分けられます。
 (A)将来のプログラミング人材を育てるための教育
 (B)アートなど、自己表現のツールとしてのプログラミング教育

 
「プログラミング教育を小学校からはじめましょう」となった、そもそもの目的は「将来のプログラミング人材の育成」だったといいます。
ですが、最終的に決まった内容としては「将来、プログラマーにすることを目的としていない」。そして、(B)の内容をやりましょうということになっています。
 
原田ハカセはこんな風に例えていました。
「野球選手にすることは、目的としていない。でも、素振りはしましょう。」
あはは(笑)そういわれると、文科省はプログラミング教育についてとってもおかしなことを言われているような気がしますね。
 
会場にいた先生方の発言を聞くと、なんとなく「(A)の目的でやらなければいけないんじゃないか」と心配している方が多いように感じました。そんな先生方が「(B)をやればいい」と聞いてすごくホッとした表情をしていたのが印象的でした。
 

1-2. 進化したプログラミング

『プログラミング思考』の定義は、昔のプログラミングのイメージだといいます。
 
▼プログラミング思考とは

「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力
ベネッセのプログラミング教育情報 図で解説「プログラミング的思考」とは より

 
これを原田ハカセは、車や料理で例えていました。
「昔は全部マニュアル車だったけど、今はオートマ車が出てきて簡単に運転ができるようになった。」
「カット野菜を使う料理教室は、ありかなしか?」
 

なるほど。このプログラミング思考の定義は、車で言い換えてみれば、マニュアル車の運転の仕方を子どもに教えようとしていることに近いのかもしれません。
 
また、聞いたところによればカット野菜を使って調理の勘どころを教える料理教室があるのだとか。
Viscuit(ビスケット)を使ったプログラミングは、「カット野菜料理教室」ということになりますね。
 

2. 原田ハカセの話を聞いて感じたこと

カット野菜の話を聞いて、つい先日facebookで見た投稿を思い出しました。
 
ピアノか何かの楽器を教えている人の先生の投稿で、こんな内容のことをつぶやいていました。
「初心者の人が、『楽譜が読めないんだけど簡単にできる楽器はありますか?』って聞いてくるんだけど、音楽をやりたいんだったら楽譜ぐらい読めるようになれよ。」とそういった、初心者に対する批判的な投稿でした。

 
ですが、私は知っています。楽譜が読めない人でも音楽を楽しめるようにしてしまった人を。
 
それは、ウクレレのガズ先生。コード3つを覚えるだけで簡単にウクレレを誰でも弾けるようにしてしまった人で、今や大人気YouTuberです。

3. あなたはどっち派?

プログラミング、料理、音楽の話を例に出しました。今の時代は、以下の二項対立の時代ということなのでしょう。
 
 ・苦労して修行して能力を身につけるのをありがたがる派
 ・進化した技術を使って簡単に能力を身につける派

 

私は、どちらかといえば「進化した技術を使って簡単に能力を身につける派」でありたいと思っています。
そして、浮いた時間の分を次の新しい技術や知恵を生み出す時間に当てた方がいいと思います。昔の技術の習得に、昔と同じだけ時間がかけていてはなんの進歩もないでしょう。
 
そう思いながらも、もし子どもが電卓という進化した技術で算数の宿題を解いていたら…そこはさすがに口を出してしまいそうだ、と思うのでした。

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