アクティブラーニングの目的は「メタ認知」ー子どもの「メタ認知」を育てる(1)

「頭がいいとは何か?」
「考えるとは何か?」
「子どもたちの考える力はどうすれば育つのか?」
についてここ1ヶ月ずっと調べていた教育ヲタ母です。

その途中経過としてある一つのキーワードにたどり着きました。
それは「メタ認知」です。

今日はアクティブラーニングとメタ認知について書いてみます。

目次

1. 「アクティブラーニング」「メタ認知」って何?

ご存知の方も多いとは思いますが、もう一度、文科省が言うところのアクティブラーニングを確認しておきましょう。また、「メタ認知」との関係も文科省の資料に記載があるので確認しておきましょう。

1-1.アクティブラーニングとは

文科省は新しい学習指導要領でアクティブラーニング 「主体的・対話的で深い学び」と言っています。

「主体的・対話的で深い学び」についてはこちらの資料に記載があります。

※「新しい学習指導要領の考え方-中央教育審議会における議論から改訂そして実施へ-」から抜粋

なんだかわかりづらいですが、まとめると

・主体的=将来のことを考えて進んで学びましょう
・対話的=他の人と対話して考えを広げましょう
・深い学び=情報を分析したり、知識を関連付けたりして、問題解決をしたり創造したりしましょう

ということになります。

「2020年からの学校の授業はこういう↑授業にしましょう」というのが、今回の学習指導要領改定の目玉の一つなのです。
プログラミング教育以上のインパクトを感じます。

1-2.メタ認知とは

一方でメタ認知とはなんでしょうか?

メタ=高次の
認知=生体のもつ情報収集、情報処理活動の総称

という意味です。言葉としての「メタ認知」の意味は、「自分が何を知っていてどう解釈しているか?」をさらに一段上の視点で見る、客観的に見る能力、とになります。

ですが、世の中的にはもう少し広い意味があるようで
・世の中の構造を知っている とか
・人間の性質や構造を知っている とか
より広い視点を持っている、それを活用できている、という状態を「メタ認知」と言っていることが多いように感じます。

また、メタ認知は「ある」か「ない」かという性質のものではありません。メタ認知は、全ての人間が持っているものです。4歳ぐらいからメタ認知は生まれると言われています。当然、4歳のメタ認知と、30歳のメタ認知にはレベルに差がありますし、同じ30歳でも差は出てくるでしょう。
メタ認知は「レベル感」があるものなのです。

1-3.メタ認知が能力を決める

有名な起業家や、インフルエンサー、ビジネスで結果を出している人の話を聞くと、「どうしてそんなことまで考えられるんだ!」といつも驚きます。その考えの広さや深さこそが「メタ認知」であり、考える力の本質だと思います。

他方で、自分を振り返ると・・・びっくりするぐらい視点が低いです(笑)。
最近ではちょっとづつ結果が出てきていますが、以前、一度起業に失敗していますから、やはり視点の高さ=メタ認知のレベルの高さこそがその人の能力を決めると言ってもいいんじゃないでしょうか。

2.アクティブラーニングの目的は「メタ認知」

アクティブラーニングの定義や、これまでの文科省の対応を見ると、ほぼ間違いなくアクティブラーニングの目的はメタ認知の養成をであると言えるでしょう。

2-1.「深い学び」と「メタ認知」

冒頭にご紹介した資料の続きにこんなページがあります。

このページでは「見方・考え方」が深い学びに繋がるものだとして、「見方・考え方」の重要性をアピールしているわけです。「見方・考え方」の定義を確認するかぎり、ほぼ「見方・考え方」=「メタ認知」と言っていいのではないでしょうか。

▼参考サイト:新学習指導要領の「見方・考え方」を見渡す
https://www.programming-edu.com/2017/05/12/viewpoint-of-thinking/

2-2.「主体的」と「メタ認知」

冒頭のこちらの資料をもう一度みてみましょう。

主体的の定義として「見通しをもって」「学習をまとめ振り返り」とありますが、まさにこれはメタ認知そのもの。自分自身がこれからどうやりたいのかという長期的な視点、自分が何を学習して何を身につけたのか?という振り返りができることは、高い視点がないとできないことです。

主体的であることを子どもに求めることで「メタ認知」を育もうというのが、アクティブラーニングの目的なのだと思います。

2-3.ブルームタキソノミーにもメタ認知

そういえば、ちょっと前に書いたこちらの記事「ブルームタキソノミー」にもメタ認知が定義されていたなぁと思い出しました。

文部科学省 教育課程企画特別部会 資料2より抜粋

こちらは文科省の資料ですから、最終的には子供の「メタ認知的知識」+「創造」という領域の能力を持った子どもを育てることを、文科省は意識しているのでしょう。

3.アクティブラーニングの目的は「メタ認知」まとめ

今回は様々な資料を通して、アクティブラーニングの目的が、より高い「メタ認知」を育むことであることを確認しました。

次回以降は、もう少し「メタ認知」を身に着ける具体的な方法などを考察したいと思います。
また「メタ認知」と「プログラミング」の関係についても、考えてみたいですね。

まず自分がより高次な「メタ認知」を身に着けること、それを子どもたちに伝えること、子どもたちが大きくなった時に、さらに高い次元のメタ認知を自分自身で身につけていくこと・・・この繰り返しが、よりよい世界を作っていく人間の営みなんだと思います。

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