プログラミングだけを教えても意味がないというお話ー教育再生実行会議の資料より

こんばんわ。39度の熱が出たのにインフルエンザではなかった教育ヲタ母です。
 
さて、友人から興味深い資料をシェアしていただきましたので、皆さまにも共有したいと思います。こちらは、教育再生実行会議 技術革新ワーキング・グループ(第4回)配布資料で配布された資料です。
 
▼”シン・ニホン” AI×データ時代における日本の再生と人材育成
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouikusaisei/jikkoukaigi_wg/kakusin_wg4/siryou1.pdf
 

目次

資料のポイント

この資料のポイントは
 ・このままでは、日本ヤバイ。
 ・ヤバさ脱出のためには、教育
 ・教育に予算を割いてね

 
ということなんですが、プログラミング教育や、教育のポイントについても言及があったのでその点をかいつまんでご紹介したいと思います。
 

プログラミング教育について

資料の54ページ(PDFの28ページ目)に次のような記載があります。

※”シン・ニホン” AI×データ時代における日本の再生と人材育成 より抜粋
 
この図に照らし合わせると、プログラミングだけではないよねー。という話はなんとなくわかっていただけると思います。プログラミングはあくまで問題解決のツールでしかないので。

プログラミング以外に大事な力

この資料でも、いろいろ提言されている中で大事な力として私が常日頃から気になっているものも書かれていたので、その2つをご紹介したいと思います。
 

1つめは国語じゃなくて「言語技術」

資料の62ページ(PDFの32ページ目)がこちら。

※”シン・ニホン” AI×データ時代における日本の再生と人材育成 より抜粋
 
この資料では「コミュニケーション」と書かれていますが、海外では「ランゲージアーツ(言語技術)」と呼ばれているものです。
学校では言語技術を取り入れている先生は少ないと思いますから、もし心配だったら、日本の言語技術の第1人者である「三森ゆりか」先生の本を何冊か購入して、ご自身のお子さんや、近くのお子さんに言語技術的なコミュニケーションを身につけさせてあげてください。
小さなお子さんであれば、少し周りの大人が変わるだけですぐに話し方が変わります。5歳ぐらいでも立派に意見と根拠を言うようになりますからおためしあれ。
 

2つめは分析力

こちらの資料の著者は「課題を解決する力としてサイエンスが欠落している」と書かれていますが・・・私から言わせれば「哲学が欠落している」のだと思います。
哲学というのは、物事を深く最初から考える学問、問いを立てる学問でした。「平和に仲良く暮らすには?」「一人一人の人間が善く生きるには?」「楽しいと正しいはどちらが大事?」などの課題を設定し、その課題に対する答えを論理によって導き出す学問でした。
 
それが、分野が別れただけの話なので、学問の大元である哲学、特に分析哲学が重要になってくると思います。サイエンスに限定してしまうのはもったいない話で、あらゆるジャンルに通用する分析力、論理力を身に着けるには哲学だと思うのです。
 
ただ、哲学イベントだと「生きるって何?」「愛って何?」みたいなちょっとゆるいテーマが多く、なかなか一般人が分析を学べるところがありません・・・(涙)。分析哲学の本は難しすぎるし。超初心者が学べる場所が少ないことに困っています。
 
初心者向け、バカでもわかる分析哲学(論理学でも可)・・・よい書籍などがあれば教えてくださいませ。
今の所の私のイチオシはEテレの「ロンリのちから」です。高校生向けの論理学講座ですが、大人でも十分楽しめました。
 
▼Eテレ「ロンリのちから」
http://www.nhk.or.jp/kokokoza/tv/ronri/index.html
 

プログラミングだけを教えても意味がないというお話 まとめ

楽しみながらプログラミング、は大事です。でもそれはあくまで「部分」(それもほんの一部分)でしかない、ということを忘れずにご指導いただければと思います。
本当に目指すべき姿の「全体」はもっと大きいのだということです。
 
今回は、日本教育再生会議の資料から「全体はこうだよ」という1つの意見をご紹介させていただきました。基本的には、こちらの方の意見に大変賛同いたします。
ただ教育の「全体」、プログラミング教育の「全体」はもっともっと広いはずです。これからも、教育の全体像探しに邁進してまいります。

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