「子供に起業させたい」というバカ

空前の起業ブームにお疲れの皆様、こんにちは。
教育ヲタ母が毒を吐く時間がやってまいりました。
 
最近、モヤっとしていることについて書きたいと思います。
 
最近の学習塾や習い事で増えてきたものとして、「起業家教育(アントレプレナー教育)」をうたっているものがあります。これ自体は素晴らしいことだと思います。
でもね、中には気持ち悪いこというなぁ・・・という人がいたので書いてみました。
 

目次

1. 起業家教育そのものについては大賛成

私は起業家教育(アントレプレナー教育)そのものには、大賛成です。
 
アイデアを考え、形にし、それを売って利益を得る。その一連の流れを体験することで、社会のしくみがわかるからです。
さらに、起業家教育(アントレプレナー教育)は、広い意味では、起業家が持っている生き方や精神を学ぶという側面もあります。精神面でも良い影響が期待できそうです!
 
べつに起業してもしなくても、どちらでも学びになります。いろいろな学習の一環ということでどんどんやったほうがいいと思います。
 

2. 気持ち悪い起業家教育って何?

それは、「小学生に起業させる」「自分の子供が高校生になるまでに、起業させる」と大人の側が宣言してしまっているケース。(ブログでそう書いている人を見かけたもので・・・)
なんとも言えない、気持ち悪さを感じました。
 
起業って人から言われてやるもんなんでしょうか?
 
▼WeWorkにいそうな意識高い系の人

 
気持ち悪さの理由を書いてみました。
 

2-1. 気持ち悪い理由その1:手段が目的化しているから

「起業」というのはあくまでも、何かを得るための「手段」でしかありません。
 
・自由なライフスタイルを手に入れたい
・社長と呼ばれたい
・たくさんお金を稼ぎたい
・自分のアイデアを試したい
・周りの人を幸せにしたい

 
そういう目的のための、手段の1つが「起業」でしかありません。逆に言えば、別に目的を達成するためなら起業である必要もない訳です。
在宅で会社員をやりながらも自由なライフスタイルを満喫している人もいますし、起業して仕事に縛られてる人もいます。社長と呼ばれたかったら「〇〇しゃちょー」って名乗ってYouTuberになるのもいいですしね。
 
「起業」しか手段が思いつかないとは、発想力が乏しいとしか言えません。
 

2-2. 大人の価値観の押し付けだから

私からみると「子供をいい大学に入れたい」という人と「子供を起業させたい」という人は、同じです。自分が良いと思っている価値観を子供に押し付けているだけ。
 
それで子供がいうことを聞けば満足だし、いうことを聞かなければ「できないやつだ」「レベルが低い」と言っているのですよ。自分のエゴで子供たちを評価するのはやめてほしいですねー。
 

2-3. 最終的に子供を傷つけるから

大人の期待って、子供に伝わるんですよ。子供は、期待に応えたいから一生懸命に頑張ります。でも、もしそれが自分のやりたいことと違っていたら苦しいです。
またもし、親が掲げた「高校生で起業」が達成できなかったら「自分はダメな人間だ」って傷つきますから。
 
それは、大人が決めた受験に敗れた子も一緒です。
 

3. 起業家教育はこう使え

基本的には、学ぶことが多い「起業家教育(アントプレナー教育)」。もし夏休み限定など短期限定で体験できる機会があれば、体験してみるのもいいと思います。
ですが、キッザニアの1つのパビリオンぐらいな位置付けでいいと思っています。
起業が必ずしもその子の幸せにつながるかどうかはわかりません。
 
さかなクン、家政婦のしまさん、渡辺将基(新R25編集長)さんなど、起業してなくてもめちゃくちゃ世の中に影響を与えて面白い人生を歩んでいる人はたくさんいます。
 
私個人的には家政婦のしまさんが、すごく面白いなぁとおもっています。今までスポットライトが当たってなかった主婦業を、「プロ」の仕事に変えたことの”象徴”としてすごく好きです。
※厳密には、しまさんも起業というくくりに入るのかもしれませんが、彼女は元プロの料理人で、起業家としての勉強をしてきた人ではありません。そういう意味で別物としてます。

 
起業も手段の1つ、とした上でいろんな人のいろんな生き方を子供達に教えてあげるのが、いいんじゃないかと思っています。
 
いいたいことは、何かと言うと「自分のエゴを満たすために、子供を使うな!」ということです。
 
余談
プログラミング教室、IT教育系の習い事でも、起業臭を漂わせているところがありますよね。
「ホリエモンはプログラミングできますよね?」といってプログラミングと起業に因果関係があるような言い方をしている人がいました。経営者じゃないプログラマーの方が、圧倒的に人数が多いんですけど。。。

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