英語民間試験延期ー大学入試改革の問題点の整理と解決策を考える(2)

前回の記事で大学入試改革とはなんだったのか?問題点について整理をしていました。今回は解決策について考えてみたいと思います。

目次

1. 根本的な問題の解決策を考える

前回の記事で次のように書かせていただきました。

その問題の根底には「勉強は努力でどうにかなる」「努力できないのは本人の責任」という価値観が全体的にあるように感じます。文科省の人たちは、きっと子どもの頃から相当な努力をされてきたのでしょう。

しかし、残念ながら生まれた環境、育てられた環境によっては、「努力しろ」と言われてもできないことはあるのです。それは、経済的な理由だけではありません。メンタル・環境・身体など色々な理由があります。

この問題を解決するためのヒントが、ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン(UWC ISAK Japan)という学校にあります。ISAKは「アイザック」と読みます。

▼ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン(UWC ISAK Japan)
https://uwcisak.jp/jp/

1-1. ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパンについて

私はこの学校のことをテレビで知りました。テレビで紹介されていた内容を抜粋すると
 ・日本人と外国人の高校生が集まる全寮制の学校である
 ・富裕層の子どもだけでなく、貧困層の子どももこの学校に入学できる
 ・富裕層の子どもは自分(親)が学費を出すが、貧困層の子どもは学費が学校から出る
 ・学費や学校の運営費などは、企業が出資している。

こんな学校なのです。

なんと言っても、すごいのは国籍も、貧富もバラバラな子どもたちが共同生活を送るということです。文化の違いから、子ども同士の衝突や葛藤などをテレビで放映していました。中には、日本人の女の子で英語が話せない状態で入学した子も。これほど「多様な」生徒が集まる学校はなかなかないなぁ、というのがテレビを見た感想です。

1-2. ISAKがなぜ入試改革の問題解決のヒントなのか?

富裕層と貧困層の子どもたちが話し合うことで、相手の置かれた環境を身近な問題として理解できるようになるでしょう。「努力だけでは、どうしようもないんだな」ということに気がつけた時に、本当に必要な制度は何なのか?ということを本気で考えられるようになるのではないでしょうか?

また、今の入試のように偏差値で学校を選ぶということは、似たような価値観の人が集まりやすくなります。「多様性の時代」と言われている現代、本当にそれでいいのでしょうか?
ISAKの入試がどのようなものかは分かりませんが、英語が話せない女の子が入学しているところを見ると、学力はそこまで重要視されていないのでしょう。人間性や、学校のポリシーにあっているか?という点を重要視しているのかもしれません。
もしかしたら、入試に本当に必要なのは「公平性」でもなく、「学力」ではないのかもしれません。学校が目指す教育を実現するために、どんな人間性をもった子がいたらいいのか?出来るだけ多様な子どもをバランスよく入学させ、それをマネジメントする、という組織的な視点での入試が必要なのかもしれないと思っています。

2. このままの入試で本当にいいのか

結局、従来型の偏差値で人を割り振る教育が、萩生田さんの「身の丈発言」に繋がっているのだと思います。
それが、結局逆行する方向になってしまうとは非常に残念です。
このままでは、「本人の努力が足りないから」を信じている人たちがこの国の政治や行政を担い続けることになってしまうでしょう。それで本当にいいのでしょうか?

改革の過渡期には、痛みを伴うものです。私も、来年から小学生になる子供がいますが、それを受け入れる覚悟をしています。学校で足りない部分は自分で補うしかないでしょう。
それでも教育改革を進めて行って欲しいと思っています。

また、このブログでも引き続き、家庭でどんなことができるか情報発信していきたいと思います。

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